ふくらみ

膨張し続けている

【資料性14】平成ゴジラの漫画とアメコミを解説する本の上巻ができた【告知】

みなさんおはようございます。元気が一番ですね! 自分はといえば最近はゲームの影響で畜産行政に貢献したりする日々です。

さてなんとかいう国際的なイベントも終わったので、夏の新刊の告知です。

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新刊の表紙

新刊のタイトルは――そう、

『平成ゴジラ 漫画・アメコミ完全解説(上)』!!

ゴジラシリーズを、そのメディアミックスの一端――特に幼年層へのアピールを主眼とした「漫画」という媒体から捉えてゆく本です。

以前発行した新世紀ミレニアムゴジラ 漫画・アメコミ完全解説』の続編で、今度はゴジラ』(1984)からゴジラVSデストロイア』(1995)までの平成シリーズ、その前半を取り上げます。 fukurami.hatenablog.com

上巻の目次

分量の都合から、平成シリーズを上・下巻に分けて紹介します。

今回発行する上巻では、ゴジラ』(1984)からゴジラVSモスラ』(1992)までの時期*1に発表された、平成ゴジラを原作とする漫画作品と、新作のゴジラ漫画作品を、日米にまたがって紹介します。

まずは上巻の目次から。

第1章:平成ゴジラコミカライズ [Part 1]

第2章:ダークホース・ゴジラ [Part 1]

  • Godzilla, King of the Monsters[Randy Stradley, Steve Bisetteほか|1987年]
  • Godzilla[Iwata Kazuhisa|1988年]
  • Godzilla VS. Gekido-Jin[Arthur Adams & Randy Stradleyほか|1992年]
  • Godzilla: Blast from the Past[Randy Stradleyほか|1993年]
  • Godzilla VS. Barkley[Mike Baron, Jeff Butlerほか|1993年]

第3章: オリジナルなゴジラたち

コラム

日米あわせて、なんやかんやで23作品!! ミレニアム期(17作品)を優に超す大分量

日本におけるコミカライズを媒体別に全網羅、それぞれの性格の違いや、掲載時と単行本収録時の差分を紹介。

さらにアメリカ・ダークホース社から発行されていたアメコミ、さらにゴジラギャグ漫画から漫画アンソロジー少年漫画など、

コミカライズに収まらない多種多様なゴジラ・コミックを完全解説!

ゴジラ大魔神ゴジラ忠臣蔵ゴジラVSトップガンゴジラVSバスケ選手!

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ゴジラ大魔神!? ("Godzilla Color Special" Dark Horse Comics, 1992より)

なんじゃそりゃ!? となってしまう日米の恐るべきゴジラワールドを堪能ください。

B5判54ページ、頒布価格は500円を予定しています。

以下、簡単な内容紹介(のようなもの)。

内容紹介

上の目次でわかると思うのですが、平成ゴジラにおいては同じ映画を複数の雑誌がコミカライズすることが通例でした。

たとえば84年『ゴジラ』では、小学館の『別冊コロコロコミック』、『小学一年生』『小学二年生』『小学四年生』の実に4本もが並行して雑誌掲載されています。続く89年『VSビオランテ』では『別コロ』と『ニュータイプ別冊』の2本(と、立風書房のムック『大百科』のダイジェスト版)……というような具合です。

平成シリーズを通してまとめると、大まかに別冊コロコロ系統、ボンボン系統、『大百科』、その他に分けられます。

まず別冊コロコロ系統。『別冊コロコロコミックSpecial』に映画公開前に連載された、平成ゴジラコミカライズの主流となるシリーズで、84に始まり、VSビオ、VSギドを経て、紆余曲折を経ながらも『GMK』まで継続します*2。特に『VSギドラ』~『モスラ3』を担当した坂井孝行氏の作品は有名ではないかと思います。

この別コロ系統に次いで継続したのが『大百科』系統で、映画公開に合わせて発行された立風書房の小柄なムック本『ゴジラ大百科』シリーズ*3に収録された16ページ程度のダイジェスト漫画です。内容は短いものの、映画にデザイナとして関わった西川伸司氏が手掛けているのが着目点です。

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ボンボン版とコロコロ版『VSモスラ』各単行本の表紙

王者・別コロに挑んだのがボンボンおよびその他のコミカライズ群。『84』では同じ小学館学年誌にダイジェストが3本載りコロコロ版を支援した一方で、『VSビオランテ』では角川書店NEWTYPE』の別冊漫画誌に掲載されました。これは少年向けの『コロコロ』に対し、青年層向けのアピールを行おうとしたものです。『VSギドラ』では小学館に戻り『てれびくん』にダイジェストが載ります。

そして『VSモスラ』からは満を持してコロコロの永遠のライバル・コミックボンボンが本誌掲載という形で殴り込みます。こちらの作者は川石てつや氏。最近セブンガー漫画が話題になっている方です。翌年の『VSメカゴジラ』翌々年の『VSスペースゴジラ』でも別コロとは一味違うコミカライズを展開するも、ここで途切れました。

まとめると次の表のとおり(今回はVSモスラまでを紹介)。

作品 別コロ ボンボン 大百科 その他
84ゴジ 岩田和久 学年誌かたおか徹治ほか)
VSビオ 小林たつよし 西川伸司 ニュータイプ平野俊弘
VSギド 坂井孝行 西川伸司 てれびくん(たかや健二
VSモス 坂井孝行 川石てつや 西川伸司
VSメカ 坂井孝行 川石てつや 西川伸司
VSスペ 坂井孝行 川石てつや 西川伸司
VSデス 坂井孝行 西川伸司
モスラ1 坂井孝行
モスラ2 坂井孝行
モスラ3 坂井孝行
ミレゴジ 瀧村もんど
×メガ 鷹岬諒
GMK 郷間秀敏

今回の本では、まずこれらのコミカライズについて、絵柄などもふくめ、何がどう違うのかを主眼にして見てゆきます。ついでに、コロコロ版は雑誌掲載時と単行本で大幅な加筆があることが大きな特徴なので、雑誌版と単行本の違いもページ単位で紹介します。

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どれだけ違うのかがよくわかる比較画像(本書p.38より)

冒頭数ページのサンプルは以下の通り(後掲のBOOTHでもう少し長いのが読めます)。

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紙面サンプル

一方海を渡って、VSシリーズがビデオスルーされてしまったアメリカでは、コミカライズではない独自のコミック展開が行われます。

アメコミゴジラの起源は1977年にあのマーベル東宝からライセンスを取得したことに始まりますが、それから10年を経た1987年、ダークホース・コミックが新たに東宝を契約を交わし、ここにアメリカにおける「平成ゴジラ」が幕を開けることになります。

ダークホースによるアメコミ・ゴジラは87年~96年にかけ単発(One-shot)7作、シリーズ2作の合計9作が発表され、日本の作品とはまったく違う世界観で知られざるゴジラの戦いが描かれています。Gフォースが日本より1年先に出てきたりする。

ダークホース・ゴジラの概要や詳しい展開については下巻の告知記事にて。

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"Godzilla Color Special" Dark Horse Comics, 1992、表紙

今回の本では、これに並んで日本で展開されたコミカライズではないゴジラ漫画についても取り上げています。

例えば、ゴジラが主人公の少年バトル漫画とか、「スーパーマリオくん」の作者によるゴジラのギャグ漫画など……。

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沢田ユキオゴジラくん」(『テレビマガジン』91年11月号より)

とまあこんな感じで、一冊読むだけで平成ゴジラの漫画とアメコミがまるわかりという本です。

頒布について

ではこの

『平成ゴジラ 漫画・アメコミ完全解説(上)』

を入手するには……?


8/15 資料性博覧会14中野サンプラザ13F)
パンケーキ神殿(委託参加)

までお越しください!

B5判54ページ、頒布価格は500円を予定しています。

※当初予定していた直接参加ではなく、委託参加に変更しています。委託コーナーにてお探しください。

www.mandarake.co.jp

……といっても、このご時世です。というか、資料性博覧会の一般参加申し込みはもう終わってしまっています(告知が遅くすみません……)。

ということで、以下のBOOTHでも通販を行います! ご安心ください。

fukurami.booth.pm

販売開始は資料性博覧会の2~3日後を予定しています。また、BOOTHでは手数料の都合から会場頒布価格に100円上乗せしていますが、8/31までの期間限定で、会場頒布と同額で販売します

ぜひご予約ください。

(2021.08.19追記)
まんだらけ通販にて、資料性博覧会の残部(若干部)の委託を引き受けていただきました。ほかの「資料性」同人誌とあわせてのお買い上げが便利です。どうぞご予約ください。

order.mandarake.co.jp


また、既刊も絶賛頒布中です。

本書の姉妹編である『新世紀ゴジラ 漫画・アメコミ完全解説』は「資料性」でも頒布するほか、下記BOOTHでも通販中です。

fukurami.booth.pm

まんだらけ通販もあります。

order.mandarake.co.jp

既刊『ゴジラのうた―主題歌・挿入歌・イメージソング総覧』などもぜひどうぞ。

fukurami.booth.pm

下巻予告

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*1:正確に言えば、『VSメカゴジラ』直前まで

*2:『ミレニアム』~『GMK』は既刊にて取り上げている

*3:各巻題名は『ゴジラVSビオランテ大百科』など